原作は2021年の「中央公論文芸賞」を受賞。しかし作者の山本さんは贈呈式を前に、2021年10月13日膵臓がんのため58歳で逝去されている。山本さんが余命宣告を受けてから、最期まで綴っていた134日の日が『無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記』(新潮社)として出版され、話題となった。
本作は、松本穂香が演じる30歳独身、契約社員の主人公・与野都(よの・みやこ)が、地元・茨城で藤原季節演じるアルバイト店員・羽島貫一(はしま・かんいち)と出会い、関係を深めていく物語。
憧れだった東京を離れ、地元・茨城戻って悶々と過ごしていた都。そこで出会った貫一は、優しいけれど経済的に不安定なアルバイト店員。結婚、仕事、親の介護…20代の頃のキラキラした恋愛とは違った、たくさんの「リアル」が突きつけられる中、都が追い求める幸せとは。
主演の都を演じる松本は
「家族であっても恋人であっても、やっぱりそれ以上は近づけない一定の距離とか、分かり合えない価値観が絶対にあると思うんですけど、そこを考えて考えて、ぐるぐる回りながら色んな感情を抱えたからこそ辿り着ける場所があるんじゃないかなと、このドラマを通して感じました。
私が演じる都も、色んな人と色んな感情をぶつけ合ったり共有したりして、最後は自分の意思で答えを見つけ出します。悩んで苦しんで辛くても、そこがゴールじゃない。物語の終わりには優しい希望を感じさせてくれるお話になっています。
幸せってシンプルなものでいいんだな~と色んなモヤモヤを軽くしてくれるお話になっていると思いますので、ぜひ観てください!」
と意気込みを語った。
また、貫一を演じる藤原は
「『自転しながら公転する』は、地球や太陽のように、自転と公転を繰り返してぐるぐる悩む主人公、都の物語です。原作や脚本を読みながら、心に刺さる台詞が多くて、簡単に読み進められませんでした。僕が演じる羽島貫一は、中卒で元ヤンの寿司職人でありながら、大変な読書家という少々複雑な役です。何も考えていないように見えるけど、胸中にはしっかりとした正義感や苦悩を抱えている貫一を、丁寧に演じています。
都の相手役として、二人で抱き合って自転公転しながら、彼の人生をスパイラル状に駆け抜けたいと思っています。もう二度と同じ軌道に戻れないこの瞬間を、楽しみたいです。
自転公転しながらぐるぐる生きている誰かにとっての、宝物になるような全3話を贈ります。」
とのコメントを寄せた。