膀胱が意思とは関係なく縮む「過活動膀胱」
「尿をためる膀胱と尿の出口である尿道を、風船に見立ててみましょう。尿もれは、風船の出口の締め具合が弱くなり、ふくらんだ風船をぐっと押すと、すぐに空気がもれてしまうイメージです」
原因は、骨盤底筋と尿道括約筋の衰えにあるといいます。
「そもそも女性の骨盤底筋は、尿道と膣、肛門の3つの出口をつないでいる筋肉で、構造的に弱い。そのうえ、妊娠・出産や加齢によって筋肉がゆるむため、尿道をうまく締めることができなくなってしまうのです。そんな状態で腹圧がかかると、尿道が簡単に締まらず、もれてしまうわけです」
尿トラブルのもう一つのタイプは、膀胱が意思とは関係なく縮んでしまう「過活動膀胱」です。
「こちらも風船で想像してみましょう。本来はある程度風船がふくらんだときに尿意を覚えるものなのですが、さほど大きくなっていないのに勝手に縮んでしまうという現象が起きているのです。加齢のほか、糖尿病や喫煙、運動不足などで膀胱の血流が低下すると、コントロールが利かなくなってしまうのが原因。突然、がまんできないほどの強い尿意に襲われて、何度もトイレに行くようになる、いわゆる『頻尿』は過活動膀胱が大きな原因の一つです」