特殊なアメリカの等高線
特殊なのはアメリカで、2万4千分の1地形図の等高線間隔は10フィート(約3メートル)だ。
高さも距離もメートル法ではなく、縮尺も2万4千分の1(2000フィートを1インチで示す)と微妙に異なるが、等高線間隔が日本の約3倍なので、こちらの感覚でニューヨークのマンハッタンの地形図を見たら「急坂の町」と誤解しかねないので要注意だ。
かの国はいつも「我こそが国際標準」のような姿勢だが、少なくとも地図の世界では完全に独自路線である。
長い国境を接する隣のカナダの地形図はメートル法を採用しているため、わざわざ欄外に「metric/ metrique(メートル法)」と記して注意喚起しているほどだ。
同じ等高線が何本も連なっていると読み取りに不便なので、何本かおきに「計曲線」と呼ばれる太い線(英語ではindex contour)を混ぜている。
日本の2万5千分の1地形図はこれが50メートル間隔なので、その間に10メートル間隔の細い等高線(主曲線)が4本入る勘定だ。
外国では例外もあるが、概ね5本に1本の割で入るのは共通している。