相手は関係ない

このにらみ合いから、私は先日、レトロな喫茶店でハヤシライスを一人で食べていた時のことを思い出した。隣のテーブルに70歳半ばの夫婦と見える二人がいた。奥さんが鋭い目で旦那さんをにらんでいた。若い頃は見つめ合いだった二人も、結婚して何十年もたつと、にらみ合いになるのだと思った。

すると奥さんが言った。「あなた、やっぱり白内障の手術をした方がいいわ」。旦那さんが「そうだなあ。つらくなってきた」と答えた。私は、手術の成功を陰ながら祈った。

話が大相撲から離れたが、私はずっと密かに応援している力士がいる。前頭11枚目・佐田の海だ。派手さはないが、自分の相撲をひたすら究めようとする姿が魅力なのだ。6日目に先場所貴景勝と優勝争いをした前頭8枚目・熱海富士の5連勝を、7日目には一山本の6連勝を、佐田の海はそれぞれに勝ちストップさせた。

7日目に連勝ストップについてレポーターが聞くと、佐田の海は「相手は関係ない。ただ白星は嬉しいですね」と答えた。佐田の海は、野球をよく見ていて、松田さんに対して、「年齢を重ねてもできるんだというところを証明してくれた。自分も長く頑張りたいので、そういったところを見習いたい」という談話がレポーターから伝えられた。

松田さんは、「明日から佐田の海関をめちゃめちゃ応援したいなと思います」と喜んでいた。佐田の海は5勝3敗だ。