横綱の条件

次の大関候補として期待されている関脇・琴ノ若は、3日目に前頭2枚目・明生との土俵際の攻防で物言いがついた。結果は、琴ノ若が「大逆手(おおさかて)」という珍しい技で勝利した。2001年に追加された決まり手で、13年ぶりに見る大技である。肩越しに上手で廻しを深く取って、横にひねるように投げる技だ。

珍しい技は大相撲の魅力だ。相手を肩にかつぎあげる「撞木反り(しゅもくぞり)」や横綱の初代若乃花が得意とした「呼び戻し」など、誰か大技を見せてくれないか。

横綱・照ノ富士は夏場所(5月)に優勝して以来休場。新横綱の姿が見たいが、横綱は大関として2場所連続優勝かそれに準ずる成績が求められる。白星をあげるため3大関は必死である。しかし、横綱の条件は「品格・力量が抜群」とある。過去の横綱では品格を問われた力士たちがいた。

私は業界新聞社で記者をした時に、あるビジネスセミナーの取材に行き、一流企業のトップの人が、「部下に品格をもてと言っても部下に伝わらない。どうしたら品格をもたせられるのか?」と質問した。講演者は明確に答えることができなかった。

私は、品格のある人に何人かお会いしたことがあるが、心の構えにゆとりがあり、揺るぎないオーラを感じた。いつも不安定な精神で、些細なことで焦り出す私には、品格獲得は無理だと確信している。

※「しろぼしマーサ」誕生のきっかけとなった読者体験手記「初代若乃花に魅せられ相撲ファン歴60年。来世こそ男に生まれ変わって大横綱になりたい」はこちら

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