岡本 実は私も、短歌の結社には入ったんです。やっぱり誰かに見てもらい、感想がほしかったので。
俵 オーソドックスな道も試されたんですね。
岡本 はい。新聞歌壇にもけっこう投稿していました。ただ、送ってから結果が出るまでに1ヵ月以上タイムラグがあり、待っているのがしんどくて。
俵 短歌雑誌の新人賞も、たとえば2月が締め切りなら発表が6月、というのが一般的。私も若い頃、発表の号を書店で立ち読みして結果を確かめていました。今の人たちには歯がゆいかもしれないですね。
岡本 はい。そこで「うたらば」というインターネットの投稿サイトに投稿し、同時にSNSで発信するようになりました。
俵 いろいろな発信手段が生まれたことも、今、短歌が若い人たちの間でブームになっている理由のひとつかもしれない。
岡本 ただ、ツイッターでバズったからといって、歌が評価されていると思ってはいけないなと自分を戒めています。広告制作会社を6年ほどで辞めて、転職した会社では漫画作品の編集やPRに携わるようになったので、ツイッターの使い方のコツも職業上知っている。見せ方がうまかったから注目されたのかも、と……。
俵 そんなことないって。素材がよくなかったら人の心には届かないから。
岡本 ありがとうございます。