発表の方法はさまざま
岡本 私の短歌を多くの人に知っていただいたのは、ツイッター(現・X)がきっかけでした。
俵 岡本さんの代表作がこちらですね。
ほんとうにあたしでいいの?
ずぼらだし、
傘もこんなにたくさんあるし
ずぼらだし、
傘もこんなにたくさんあるし
ツイッターでいわゆる「バズる」という現象が起きて。たくさんの人が「私のずぼらはこれだ」と、下の句の「傘もこんなにたくさんあるし」を自分流に変えて投稿し合って、大喜利状態でしたよね。
岡本 冷蔵庫の前に置かれたキャベツが木みたいになっている写真を添えて、「キャベツが花を咲かせているし」と投稿した人がいて。「確かにそれはずぼらだよ~」と大笑いしました。
俵 SNSで注目されて歌人の道に進むというのは、まさに今の時代ならでは。私の場合、まず佐佐木先生が編集する『心の花』という短歌雑誌の会員になりました。会員になると毎月15首くらい投稿できるけど、全部掲載されるわけではない。なぜこの歌が選ばれて、ほかは落とされたのかを考えるのが勉強になります。
あとは月に1回の歌会に出て、無記名で歌を詠み鑑賞し合う。若い仲間もいたので、いい刺激になりました。