グレーゾーンチェック(2)開眼片足立ち

「グレーゾーンの警告サイン」でいくつかの項目に当てはまっても、「いやいや、自分はまだ大丈夫」と納得できない人のために、体で実感できる認知機能のチェック法を用意しました。

下の図の『開眼片足立ち』です。両目を開いた状態で、どのくらい片足で立っていられるかをチェックしてみましょう。

MCIテストの例(開眼片足立ち)<『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』より>

《やり方》
(1) 両足で立ちます。
(2) 目を開いたまま、何にもつかまらずに、片足で立ちます。体がふらつく人は、すぐにつかまることのできる壁の近くなどで行いましょう。
(3) バランスが崩れ、手で壁などにふれたり、足が床についたら、そこで終了です。

《チェック法》
どうでしたか? あなたは、何秒立っていられましたか?

目安は20秒です。目を開いた状態で20秒以上、片足立ちができなかった人は、グレーゾーンの可能性あり。認知症の専門医を受診することをおすすめします。

<『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』より>

そんなことで認知機能が測れるの? と思うかもしれませんね。

じつは、体のバランスがとりづらくなるのは、認知機能の低下と深く関係しています。

実際に、健康な中高年者(平均67歳)1387名を対象に行った京都大学大学院医学研究科附属ゲノム医学センターの調査では、この「開眼片足立ち」で20秒以上バランスを保てなかった人は、自覚症状がなくても、脳血管疾患や認知機能の低下のリスクが高いという結果が出ています。

ちなみに、片足立ちを120秒以上キープできる人は、50歳未満の方なら80%を超えますが、50代では約60%、60代では50%以下にまで減るといわれています。