ドイツの温泉

基本的にドイツの温泉地には、「現代的な日帰り入浴施設」と「トラディショナルな日帰り入浴施設」の二つが備わっていて、前者はプール、後者はサウナの様相が強いです。

一つの施設を楽しむのに2時間はかかるので、1日2箇所めぐればくったくた。大体がロッカーキーで最後に精算する仕組みをとっていて、場内にあるカフェバーで食事をしたり、ビールを飲んだりしながらうだうだと過ごします。

『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』(著:永井千晴/幻冬舎)

基本は混浴ですが、曜日で女性専用デー(または男女別の日)を設けている場合があるので、事前の情報収集が肝心でした。

現代的な日帰り入浴施設も楽しいのですが、やっぱり温泉オタクが興奮したのは「トラディショナル」なほう。ドイツの中で一番好きだったのは、バーデン・バーデンの「フリードリヒス・バート」でした。

12の源泉からなるミネラル豊富な混合泉がウリ。

浴場には17の工程が決められていて、「このサウナに何分」「この湯船に何分」とプログラムがありました。これがすごく面白い。ベルトコンベアで健康にされていく気分です。

9番目の工程で、36度ぐらいのぬる湯に浸からされるとき、天国かと思いました。ほんのり塩味の炭酸泉で、新鮮そのもの。アワアワ。サイコーです。

ドイツは全体的に炭酸のぬるい温泉が多くて、ぬる湯好きにはたまりません。温泉=高級保養地らしく、お客さんは「遊びに来ている」のではなく、「休みに来ている」雰囲気。治安もよくて、どの温泉地も上品でした。

サウナがかなり充実していて、どこの施設も種類豊富なのもすばらしくて。スタッフが説明しながらサウナストーンに水を入れてブワーッと扇ぐ「アウフグース」(ロウリュ的なプログラム)はマジで1年分の汗をかきました。

いずれの温泉地にも「クアハウス」という娯楽施設があり、湯治客がカジノや舞台を楽しむところとして親しまれているのも興味深かったです。ドレスコードがあるので、温泉街にドレスや革靴が買えるブティックが並んでいるのも面白かったなあ。