映画監督の青山真治さんと、夫婦で取材を受けた時の1枚(撮影◎森本美絵)

実は、夫は8年前にも入院したことがありました。その時も、ショックは大きかったです。心臓の弁が壊れて心臓に水分が溜まり、救急搬送。「今日から3日間が峠です」と言われ、いつどうなるかわからない状態でした。

集中治療室に30日間も入っていましたが、なんとか無事に生還。退院後はお酒をやめました。人間、命の危機を経験したら変われるものなんだとほっとしていたのですが、1年ほどたつとまた飲みだして……。

青山は、お酒とたばことは縁が切れない人だったんです。そして、不器用だけれど、ひとつのことに没頭して突き詰めていく。それが彼の《生き方》なのでしょうね。もっと身体を労わってもらいたかったけれど、いくら夫婦であっても、相手を変えることはできない……。

「身体に気をつけてね」「そんなことしていると病気になるよ」と言い続けることに疲れてしまい、「わかった。真治君の人生だから、もう言わない」と。諦めに近い心境でした。

こんな不摂生をしていたら長生きはできないだろうと、漠然とした予感はあって。ですからがんが見つかった時も、やり切れない、複雑な気持ちになりました。切なかったですよ。