突然の入院。そしてまさかの陣痛
そんな田辺さんの愉快な話を聞きながら、私はマタニティーライフを送っていましたが、ある時、昼間に外出先のトイレで出血しました。
慌てて病院に行くと、
先生「赤ちゃんが下がってきてますね。今産んでも正期産になりますが、まだお腹の子が小さいので、管理入院しましょう。無理に出産はせずに、安静にして様子を見ましょう」
予定日まで1か月ほどあったので、万が一のトラブルを防ぐために管理入院をすることになりました。突然の入院に動揺しましたが、病院のご飯が美味しくてすぐに落ち着きました(ご飯が美味しいというのは人の心にとって、とても大切だと思いました)。
「入院することになりました」と連絡をしたら、夫が必要なものを持ってお見舞いに来てくれました。
夫「びっくりした。大丈夫? 」
私「大丈夫です。とても元気です。先生がもし生まれそうになっちゃったらそうなっちゃったで、産みましょうって言ってました」
夫「じゃあ、もう生まれるってこと? 」
私「いや、もしもの話ですよ。今回は管理入院らしいです。1週間くらい安静にしましょうって。……あ、痛ててて」
夫「どうしたの? 大丈夫? 」
私「あー、痛てててて……あ、痛くなくなりました。なんかさっきから急にお腹が痛くなったりするんですよ。なんでかわからないですけど」
夫「え、大丈夫? 」
私「大丈夫です。やっぱり出血したのが原因なんですかね。わからないけど。でもずっと痛いわけじゃないので。我慢できます」
夫「……それ陣痛なんじゃない? 」
私「いやー、まさか! 」
その後、「何かあったらすぐ連絡して」と言って夫は帰っていきました。私はたまに来る謎の痛みに我慢して我慢して、ついに真夜中に我慢ができなくなり、迷った末ナースコールをして看護師さんを呼びました。
私「……真夜中にすみません。なんかお腹痛くて」
看護師さん「あ、もう生まれますよ! あなた、なんでここまで我慢してたの! すぐに生まれるわよ! ご家族に連絡するならすぐにして! 」
私がずっと我慢していたものは、まさかの陣痛だったのです。