イラスト:小林マキ

新型コロナウイルス感染がようやく落ち着いたと思ったら、夏以降はインフルエンザがかつてない規模で大流行。この冬を元気に乗り切る免疫力の高め方をアドバイスします(イラスト/小林マキ 取材・文・構成/岩田正恵《インパクト》 デザイン/米山和子《プッシュ》)

コロナ禍の影響で日本人の免疫力が低下

新型コロナウイルスの猛威のなかで影を潜めていたインフルエンザウイルスが大暴れしています。こんなに感染者が増えているのは、なぜなのでしょうか。

「インフルエンザが定期的に流行していると、ウイルスにさらされて感染した人は免疫を獲得し、次から発症しない、または軽く済むようになるのですが、こうした免疫の記憶は、感染の機会がないと時間とともに薄れます。コロナ蔓延中は、インフルエンザの流行が抑えられる“ウイルス干渉”という状態でした。そのため、コロナが落ちついた今年の夏からまず免疫がない子どもの間でインフルエンザが大流行。そこから、免疫力が薄れた大人へと広がっているのです」と話すのは、循環器専門医で免疫に詳しいおおつか医院理事長の大塚亮先生です。

加えて、コロナ対策で外出を控えていたことも免疫力の低下に影響していると指摘します。

「免疫機能を正常に働かせる調整役となるビタミンDを活性化させるためには、紫外線を浴びることが必要です。今年発表された東京慈恵会医科大学の大規模調査によると、日本人の98%がビタミンD不足であることが明らかになっています。これは、コロナ禍で外出が減ったからでしょう」(大塚先生。以下同)