寺島しのぶさん(左)と、息子の寺嶋眞秀さん(右)
2023年末のNHK『紅白歌合戦』に寺島しのぶさんが夫のローラン・グナシアさんと息子の眞秀くんとともに登場。寺島さんは大河ドラマ『どうする家康』の語りを務め、最終回には春日局として登場、家康の息子・信康の幼少期を演じた息子の眞秀くんと親子出演を果たした。また、10月には40年越しの悲願を実現し、歌舞伎座の『錦秋十月大歌舞伎』に出演と大活躍の1年だった。息子の初舞台について語った『婦人公論』2023年5月号の記事を再配信します。

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4歳で、歌舞伎座で初お目見得。以来、歌舞伎公演やドラマ等に出演する寺嶋眞秀さんが、初代尾上眞秀として5月に初舞台を踏むことになった。母である寺島しのぶさんは、いまサポートに徹した日々を送っている。(構成=篠藤ゆり 撮影=木村直軌)

いまは私のほうが緊張

2023年5月2日から歌舞伎座ではじまる「團菊祭五月大歌舞伎」で、息子の寺嶋眞秀(てらじま・まほろ)が初代尾上眞秀を名乗り初舞台を踏むことになりました。

4歳から歌舞伎座の舞台に立ってはきたものの、主役を勤める今回は本人より私のほうが緊張してしまって……。毎日おろおろドキドキしてしまい、つい息子に小言のひとつも言いたくなるので、「いかん、いかん」と自分をいさめています。

安土桃山時代の剣豪、岩見重太郎(いわみじゅうたろう)は歌舞伎ではお馴染みの人物です。五月大歌舞伎では『音菊眞秀若武者(おとにきくまことのわかむしゃ)』という新作で、眞秀はこの岩見重太郎を演じることになりました。

家族を殺された重太郎が敵を捜す旅に出る。その途中、娘たちを食べるに人々が困っていることを聞きつけ、娘の恰好に化けて狒々に近づき退治をする物語です。立ち役だけでなく女方もある演目となります。