「隠れ老老介護」

2022年に厚生労働省が行った「国民生活基礎調査」によると、介護をしている人の63.5%が老老介護だということです。2001年が40.6%なので、約23ポイント増加したことになります。

また、「令和3年度介護保険事業状況報告」によると、要支援、要介護認定を受けている人の人数が、689万人なので、大よそ437万人の人が老老介護をしているという計算になります。

老老介護の状況にある方は、実際には437万人よりも多いのではないかと推測できるのです(写真提供:Photo AC)

ただし、こうした発表の陰には、介護をしていても「介護保険」を受けていない人も多くいると考えられています。

2019年の健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳です。

健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことです。

少し乱暴な言い方かもしれませんが、平均で考えれば75歳以上の人は、何かしら介護の必要性が出てくると考えられるわけです。

75歳以上の人口が1936万人という事実をふまえると、「介護保険」を活用していない、「隠れ老老介護」の人が多くいるのではないか、老老介護の状況にある方は、実際には437万人よりも多いのではないかと推測できるのです。

これからますます高齢化が進むなかで、その数は当分の間、増え続けていくことは間違いありません。