テレビの大事なところ
デーブ テレビもそういうとこあるね。
中野 テレビも見方によっては教養を深めるものにもなるし、上辺だけ楽しむものにもなるし。テレビの楽しみ方って、もっと実はテレビ側が提供してもいいのかもしれないと思うことがある。
デーブ 『クローズアップ現代』なんてね、その日のテーマに興味なくても見た方がどこか何か得しますよ。
Eテレの『ハートネットTV』とかも立派な番組。『ワイド!スクランブル』だって、自分たち出てるから言うのはあれなんですけど、世界の紛争地とか、知ってどうするってのもあるんだけど、でも蓄積します、それが。
中野 ナワリヌイさんがどうとかね。ロシアの反プーチンの政治活動家の。
デーブ そうそう、それを知ってどうすんだっていうのあるんだけど、世界情勢の理解ってそういう情報の蓄積だったりするから。
中野 『ワイド!スクランブル』がずっとロシアのことやって、たまにウクライナやって、何の役に立つんだろうって視聴者からは思われてたかもしれないけど、戦争がとうとう起きちゃったっていうのもありましたしね。そういうところがテレビの大事なところと思いますけどね。
デーブ 僕の知識ほとんどテレビですよ。いや大量に見てるからってのもありますけどね。でもほとんどテレビ。クイズ番組とか情報番組。東京タワーが何で333メートルなのか知ってるのは何回もクイズで出てるから。そういうの多いね。
※本稿は、『ニッポンの闇』(新潮社)の一部を再編集したものです。
『ニッポンの闇』(著:中野信子・デーブ・スペクター/新潮社)
現代日本を覆う「コンプライアンス」や「忖度」が生み出した「タブー」をテーマに二人がジャニーズ問題から統一教会問題までをも語り尽くす――
「ニッポン」の周縁と中心を自在に往還する二人ならではの「異能対談」。