デーブさん「好きなんですよね、とにかく。調べるのが」(写真提供:Photo AC)
「コンプライアンス」や「忖度」といった言葉をよく目にするようになった昨今。そのようななか、「忖度なしに発言するのと同時に、メディアの重要性を伝え、メディア自体の信頼性を高めていかなきゃいけないとも思う」と語るのは外国人コメンテーターとして活躍するデーブ・スペクターさん。今回はそのデーブさんと脳科学者の中野信子さんの対談をお届けします。デーブさんは、「好きなんですよね、とにかく。調べるのが」と言っていて――。

デーブ・スペクターとは何者か

中野 デーブさんって昔、CIA[アメリカ中央情報局]のエージェントだって言われてましたよね。

デーブ 大昔ね。

中野 海外情勢はもちろんだけど、芸能界の情報もなんでそんなこと知っているんだろうと驚いているとギャグでうやむやにしてしまうし、またそれが本物感を強めているような……。生放送中もネットにつながっていないとそわそわしていて、いつもスマホとかタブレットでなにかしらチェックしてますよね。

デーブ それはそう。もうずっとそればっかりですよ。24時間やってる。

中野 24時間? 寝ないんですか?

デーブ 寝ますよ。寝るけど、新しい人がテレビに出てると、誰? この人?って、もう調べまくるっていうね、そんなことばっかしてる。

中野 私のことも調べられまくっているわけですね。デーブさんとよくやり取りするようになったのは『ワイド!スクランブル』のレギュラー出演曜日が同じになってからですけど、とにかく人脈が広いし、新しい人を見つけると好奇心旺盛で本当に調べまくるという感じですよね。

フワちゃんに注目したのも早かったですね。橋下徹さんを見出したのはデーブさんだったっていうのは、奥さんが本で書いていらっしゃいますね。タレントや芸能界に関する情報や人脈がとにかく広くて深いので、本当に特殊機関の人なのかな?って私ですら思いましたよ。日本に来て何年ですか?

デーブ んー。結婚して日本に来てからだと40年超えたかな。

中野 デーブさんの仕事場は、ものすごく整理されてはいるんですが、ごく小さなものから、よくこんなものまで取ってあると驚くほど、資料の山なんですよね。新聞から紙のファイルから昔のテレビ局で使ってたようなごついビデオテープから……壁面いっぱいのキャビネットに部屋の天井までびっしり。特殊機関説を裏付けるのに充分な資料の物量ですよ。

デーブ 好きなんですよね、とにかく。調べるのが。うちの会社[スペクター・コミュニケーションズ。デーブ・スペクターが1988年に設立した、テレビ番組の企画・制作、海外番組及び海外映像・写真等の買付販売、タレントマネージメント等を行う会社]の会議室見ました?

日本のテレビ各局とアメリカの三大ネットワーク、あとはCNNやFOXニュースが流しっぱなしになってるの。便利ですよ、いっぺんに見られて。海外の新聞も今はタブレットで読めるでしょ。2台持ち歩いて新聞読む用と検索用にしてる。

中野 日本語でも読みますもんね。あんまり日本語がうますぎるから「埼玉県出身」と東スポにすっぱ抜かれたり、実は英語が苦手って言われたり。英検三級落ちた説もあるんですよね?

デーブ 一級ですよ、落ちたのは! しかもそれ、番組の企画ですよ? 後でちゃんと自分で取りましたよ。だから僕は英検一級持ってるの。

中野 ふふふ。その負けず嫌いな一面も実はデーブさんのキャラとして愛すべきところですよね。仕事のメインって何になるんですか? 来日された時は三大ネットワークのABCの番組プロデューサーだったんですよね。でも、厳密に言えば、最初の来日は上智大学に留学した時になりますかね。