2人の言葉
中野 いや、読者は気になると思うんですよ。もちろん調べればわかることなんですけど……。でも、いかにデーブさんが日本のテレビにあまりにも自然になじみすぎているといっても、よく考えたらやっぱりミステリアスですよ。
しかもそんな人が、日本人ですら会えないような人ともお付き合いがあって、信じられないような人脈があって、芸能通でっていう。
デーブ 中野さんだって不思議じゃない。やたら頭よくないと入れないMENSA(メンサ)[人口上位2%のIQ(知能指数)を有する者が参加できる非営利団体。人口上位2%はIQ130以上が目安となる]でしたっけ? に入ってて。
中野 メンサはいろいろありましてねえ……もう会費も払っていないし……。
デーブ メンサの元会員?で、東大出てて、フランス留学してて、博士号持ってて、脳科学者。すごいよね。(明石家)さんまさんの番組いるなと思ったら、コメンテーターとしてばんばん発言してて。脳科学者だったら何言ってもいいの?
中野 いやいや、これでもかなり控えめにして、地味にやっているつもりなんですけど……。でも、うーん。最近思うんですけどね。
デーブ 何を?
中野 テレビで私に求められてることって、実は、科学を語ることじゃないんじゃないかって。だって、脳科学的知見なんて、誰だって論文読めばわかるし、論文読み慣れてない人でも今は本を読んだりネットで調べたりすればかなりのことがわかるはずだと思うんですよ。
デーブ それは頭のいい人が言うことですよ(笑)。
中野 でもそういう、自分で調べればわかることを……それでも私が語る意味って何なのかなって思わないわけではないんですよ。