「ずっと迷い子の人生を歩んできたけれど、今思えば、どんなことも無駄ではなかったですね」

 

借金生活も母の介護も無駄ではなかった

私のユーチューブの視聴者さんは、40代、50代の方が多く、「老いることが怖くなくなった」というコメントをよくいただきます。

私自身、年齢など関係なく、ファッションにはいつもワクワクしていますし、ユーチューブはそんな自分の世界を丸ごと表現できる場です。だからこそ、72歳の今、誰にも気兼ねすることなく好きなことができる日々に幸せを感じています。

振り返れば、これまで私が歩んできた道はデコボコだらけでした。25歳の時、地元でブティックの経営者となったものの、35歳で2000万円の負債を抱え廃業。毎月の返済のため、働いても働いても手元に残るのは微々たる額。

常にお金がなく、300円のソックスを買うのも躊躇するような貧乏生活が何十年も続きました。同居していた母と支えてくれた友達がいなければ、生きていけなかったでしょう。

ようやく借金を返し終えた頃、今度は母が認知症になりました。特別養護老人ホームになかなか空きがなく、母を施設に入れる金銭的余裕もありません。私の60代の10年間は、働きながら、母を在宅で介護する日々でもありました。

ずっと迷い子の人生を歩んできたけれど、今思えば、どんなことも無駄ではなかったですね。返済に追われたことで、お金の大事さをとことん思い知りました。暗いトンネルのなか、どうしようもなく落ち込んだ時に気持ちを立て直すコツも、自然と身についたような気がします。