すべての治療を終えた後、お礼参りに例の神社を訪れた。炎天下、日傘を差して階段を上っていく。那覇市内にある波上宮(なみのうえぐう)である。平日にもかかわらず、お参りの列ができていた。
カップルもいて、男性はお祈りしてすぐ去ったが、女性は長いこと熱心に祈っている。後ろにたくさん人が待っているのに図々しいな、とも思ったが、やむない強い願いがあるのかもしれない、と思い直した。
しかし、列をなすほど願う人がいるのには驚いた。やはりそれなりの効力があるのだろう。
娘にあの日のことを話しても、信じきれないようだ。しかし、あれは幻ではない。はっきりとこの目で見たのである。きっとこの先も、あの神々しく壮麗な獅子の姿を忘れることはない。