「自分は自分でいいんだ」

フィットネス実業団の設立後、ビジョナリーに興味を持って入社してくれた多くの若者たちと接しているうちに、彼らには自己肯定感が低いタイプが多いと感じるようになりました。それは、マッチョと言われる実業団の選手も例外ではありません。

現代は多くの情報で溢れており、私たちが1日に接する情報量は平安時代の一生分、江戸時代の1年分とも言われています。

『マッチョ介護が世界を救う! 筋肉で福祉 楽しく明るく未来を創る!』(著:丹羽悠介/講談社)

なかでも、SNSなどを介して発信される個人情報には、SNSのフォロワー数、海外旅行、星付きレストランでのグルメ体験、愛用のブランド品などを自慢してマウンティングするものが数多くあります。

虚実を織り交ぜた膨大な情報に晒され続けているうちに、自分は取り柄も特徴もない、ちっぽけな人間だと疎外感を持つタイプも多く、それが若い世代の自己肯定感の低さにつながっているのではないか。私はそう考えています。

自己肯定感が低すぎる現代の若者たちにとって、インターン時に選手たちが体験したように、介護で「ありがとう!」と日常的に感謝されて、頼りにされているという実感が得られたら、「自分は自分でいいんだ」という当然の事実が再確認できるようになります。

これは、介護の仕事に出合った頃、私自身が実感したことでもあります。

こうした体験により自己肯定感が高められたら、社会人としての自信と自覚、人間的な成長にもつながるでしょう。それは一般社員でも、フィットネス実業団の選手でも、同じだと私は思っています。