「アフリカツメガエル劇場」
脇の方の部屋には両生類が飼育されていて、その中には、ウーパールーパーや、奇妙な姿の白いアフリカツメガエルがいる。
このカエルの長い指と、ギョロッとした小さな目、そして常に笑っているようなその顔は、私にはある種のお笑い芸人のように見えた。
二人がステージに躍り出て、「パッパラパー!」と思いきや、次はまるでオペラのソリストの様に立って構える。チョウザメと比べると小さなこのアフリカツメガエルだが、存在感は当館一番と言っても過言ではないだろう。
他にもヤマメやドンコなど高千穂の渓流に生存する魚を中心に、世界中からの淡水魚およそ100種類を展示している。
いつも絵になる渓谷を散策した後に「アフリカツメガエル劇場」を堪能するのも悪くない。
野辺地ジョージ
写真家
1980年東京都生まれ、軽井沢町在住。
2002年カナダ・ブリテイッシュ・コロンビア大学人文学部卒業。大学卒業後、2014年まで金融業界でトレーダーとして東京やニューヨークで活動。同年ニューヨークの写真祭「Photoville」に感銘を受け、写真家への道へ。約3年に渡りアメリカ西部を旅しながら写真を学ぶ。2017年、日本を本拠地として国内外で活動を続ける。
2020年のコロナ流行の初期に、Michael Kenna やJane Evelyn Atwoodなどの著名写真家のオンライン・トークシリーズを創設し、36回の講演会で視聴者から総額7万ドルを集め、全額寄付した。2021年長野県軽井沢町へ移住。現在も写真活動と共に国内外で写真家の育成や地方活性化を目標としたイベントを企画している。また、軽井沢フォトフェスト(KFF) の総監督も務めている。
2022年にはFUJIFILMのX-Series10周年を記念するドキュメンタリー「Reflections」に出演、司会役も務める。イタリア、アメリカなどで多数の個展を開催。
30以上の国際的な賞を受賞。2022年より『東京新聞』の月刊連載シリーズ「水族館百景」を連載中。Patricia Conde Galeria(メキシコ)、 Webster Collection(米) ギャラリー所属
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