摘採

お茶の葉を摘み採ることを「摘採」といいます。主に次のような方法で行います。

【手摘み】 玉露、てん茶のような自然仕立ての茶園や、品評会に出品する高級茶を作るときに行う。生葉の品質は手摘みが最高だが、最も手間がかかる。

伝統本玉露の手摘み。「一芯二葉」摘みは手間のかかる作業(『八女茶――発祥600年』より)

【2人用可搬型摘採機】傾斜地や小規模茶園で普及している摘採機。茶畝を挟んで2人で機械を持ち、畝の間を歩きながら摘採する。

2人用可搬型摘採機による茶摘み(『八女茶――発祥600年』より)

【乗用型摘採機】乗用式の摘採機で高価ながら、労働負担が軽く、1人で10アールの茶園を60分程度で摘み終える高能率の茶摘み。

八女伝統本玉露の場合は、「摘採は手摘みであること」という生産条件があり、なかでも品評会に出品するものについては、「一芯二葉」摘みが行われます。茶の葉が4~5枚開いた頃に、最も養分を含む上部の2枚だけを手で摘む極上の摘み方です。

柔らかい葉だけを摘むのはとても手間のかかる作業で、熟練者でも1時間に両手のひらほどしか摘めないという、とても希少なものです。