●美味しく淹れる【玉露】

玉露。少量を口に含むと出汁のような濃いうま味を感じる(『八女茶――発祥600年』より)

●用意するもの

茶葉……人数×3~5g
急須
湯冷まし小ぶりの茶碗
お湯……50~60℃程度

玉露がもつ特有のうま味を楽しむには、低温のお湯でじっくりと時間をかけて、テアニン(うま味成分であるアミノ酸の一種)を浸出させるのがポイントです。

●淹れ方

(1)しっかり沸騰させた湯を、急須または湯冷ましに入れて冷ます。上茶の場合は50℃、並茶の場合は60℃くらいが目安

(2)冷ました湯を玉露用の小ぶりの茶碗に7分目(約20ml)ほど注ぐ。残った湯は捨てる
(3)茶葉を急須に入れる。1人分で3~5gが目安

(『八女茶――発祥600年』より)

(4)冷ました湯を急須に注ぎ、2~3分おく

(5)茶碗に廻し注ぎをして、最後まで注ぎ切る。おいしく味わえる温度は35~40℃くらい

(『八女茶――発祥600年』より)

※二煎目は、冷ました湯を入れて30秒ほど待つ

 

※本稿は、『八女茶――発祥600年』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。

 

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八女茶――発祥600年』(監修:福岡の八女茶 発祥600年祭実行委員会/中央公論新社)

〈八女の玉露はなぜ高級? なぜうま味が濃い? 〉 
 日本茶のなかでも高品質な玉露の産地として知られる福岡県八女。
 室町時代、明より茶の種が持ち帰られ、栽培方法が伝えられてから、2023年で600年の節目を迎えた。
 全国的にみると小さな産地である八女は、いかに高級茶葉の産地となったのか。
 独特な気象条件のもと機械化をせず、手摘みにこだわるなど徹底した手法を貫き、品評会で全国に名を轟かせる「八女伝統本玉露」の圧倒的なうま味、甘み、冴え。一杯の茶が忘れられない体験になるとも言われる。
 今、八女茶は世界的シェフやソムリエとコラボレーションにより、世界へ羽ばたこうとしている。
 日本一の玉露を作る茶の匠を追いかけ、八女茶の魅力に迫る一冊。八女茶の六百史掲載。