イラスト:角愼作

イラクサはトゲと毒で動物をイライラさせる

イラクサの葉や茎には無数の小さなトゲがあります。このトゲがすごいのは、刺されると痛いだけでなく、かゆくなること。蕁麻疹の原因になるアセチルコリンやヒスタミンという物質が含まれているからです。

イラクサの名の由来は、刺されるとイライラするからといわれ、英語名「ネトル」にも同様の意味があります。きっと昔から世界中の人をイライラさせることで、身を守ってきたのですね。

ところで、イラクサにはトゲの多いものや少ないものがあります。シカで有名な奈良公園に、トゲが多いものと少ないものを混ぜて植えてみるという実験が行われたことがありました。イラクサはシカの大好物。結果はどうなったでしょう?

数年後にはトゲの少ないものは食べ尽くされ、トゲの多いものだけが繁殖していたのです。これにより、トゲは身を守るためであることが証明されました。

*トゲは、昔、「刺」と呼ばれていました。「イラ」は「イラだつ」「イラつく」など多くの言葉に派生しています。

イラクサ

【学名】Urtica thunbergiana
【原産地】本州、四国、九州
【特徴】痛いだけでなく、かゆみも発症させる小さなトゲがある。人や動物をイライラさせる。
※本稿は、『すごい植物最強図鑑』(田中修監修ほか)の一部を再編集したものです。
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