美智子さんは夫の命と引き換えに、生命保険のほか、会社からの退職金や見舞金、事故の加害者から支払われた賠償金など、あわせて3億近くのお金を受け取ることに。そのことを知った夫の両親が自分たちにも半分権利があると言い出し、裁判沙汰に発展したのだという。
「3年越しで戦った末に勝訴しましたが、それこそ夫が喜ばないと考え直し、5000万円を夫の両親に渡すことにしました。同時に大学で心理学を学び始め、現在は事故で家族を亡くした人の心に寄り添うボランティア活動を行っています」
「明るく生きてください。そのことを故人は望んでおられますよ」と美智子さんは相談者に伝えているのだろう。大丈夫、必ず乗り越えられる、という確信のもとに。