少年が成長していく様
デイジーと言うかわいい女の子の友達もできます。結局はベンジャミンの見かけ故に差別する母親に引き離されるのですが…。
私たちはベンジャミンの体験を通して、「普通の人たち」がいかに残酷かを知ることになります。ベンジャミンに優しくしてくれる人は、いつも「世間からはみ出したり、差別されたりしている」人たち。つまり黒人であるクイニー、もうすぐ死んでいくしかないピアニストの老女、社会的にはあぶれものの、貨物船の入れ墨だらけの船長さん…。
けれどそんな出会いの中でベンジャミンは若返っていき、労働に耐える肉体を得て、ついにロスト童貞をします。このシーンを見た時の楽しさ、心躍ることと言ったら!
何十年も前に付き合った元彼のことを思い出しながら、「当時は不満もあったし、全然ロマンチックでなくてがっかりもしたけど、あの拙さが素晴らしかったんだ」と私は大笑いしながらも胸が熱くなりました。
「少年が成長していく様」「子どもが世界を知っていく姿」が実にリアリティに溢れているので、この奇天烈な設定を納得させ、私たちの心を捉えるのだと思います。だから多くの人が「これは実話? 若返っていく病?」と誤解し、Yahoo!知恵袋に質問したのでしょう。
勿論これは序章にすぎません。やがてベンジャミンは船乗りになると決意。愛するデイジーやクイニーとも離れて旅に出ます。男子の青春がついに開幕!って感じですね。