国の印象を決めるもの
ところが次の駅で乗り換えると、彼らも乗ってきてまた斜め前の席に座る。どこまでついてくるのか。さすがにもういいよ。ちょっと気味が悪くなって、十分にわかったからここでけっこうです、というようなことを伝える。
なんとか通じたのか、彼らはバイバイと言いながら、向かいのホームに停まっていた車両に乗って引き返していった。
怪しいお兄さんたちではなかったのだ。ゴメンね、私たち親切にされることに慣れてなくて、すぐに厚意を疑って。
夫は領事館の人に、旅行先で親切にしてもらったことを話したそうだ。トルコには良い印象しかない、と。
その国の印象って、政治の体制とか人種とか関係ないんだな。旅先で受けた親切は何年経っても忘れない。これからもあのお兄さんたちのことはずーっと覚えているだろう。