観光先進国で進む対策
海外を見れば、世界的観光地の多くが、すでにオーバーキャパシティに直面しているのも事実です。そしてその多くは「総量規制」と「誘導対策」という、二つのアプローチで緩和を探っています。
「総量規制」とは文字通り、観光客の数そのものを規制、抑制しようとするものです。「誘導対策」とは、ともかく観光客は押し寄せて来るものという前提に立って、数の分散を図る方策です。
「総量規制」として最も分かりやすい方策は「入場制限」です。ペルーのマチュピチュ、インドのタージマハル、ガラパゴス諸島など、入場制限をかけている観光名所はすでに世界に数多く存在します。
アドリア海に面したドブロブニクではコロナ前は1日に4000人、ギリシャのサントリーニ島では同じく1日に8000人を上限にしていましたし、イタリアの世界遺産、チンクエ・テッレでは、年間150万人を上限としていて、1日の訪問者が一定数に達すると、この地に通じる道路を閉鎖していました。
ただ、島や狭い地域、場所であるならば、そこへのアクセスを閉じることで、観光客数を抑制できるかもしれません。これが大きな町の単位になれば、話はそう簡単ではありません。