「総量規制」と「誘導対策」
アムステルダムは、バルセロナ、フィレンツェ、ヴェネツィア、そして京都と同じように観光客の過剰、オーバーキャパシティに苦しんでいる都市の一つです。
アムステルダムが行った観光客誘致施策は、2004年に市と観光業界が連携して始めたキャンペーンに遡ります。
オランダ中央統計局(CBS)によると、コロナ前の2017年にオランダに宿泊滞在した観光客数は、内外を含めて年間4200万人。これは市当局に届け出がなされているホテルなどの宿泊客数をベースにした数字であり、民泊への宿泊者は含まれていないので、実際はさらに上回ります。
オランダ政府観光局の調査では、そのうちアムステルダムを訪れた割合が37・8%ですので、約1600万人。これはアムステルダムの市街地人口の実に13倍にあたりますが、試算ではさらにこの先、観光客の増加が予測されています。
アムステルダムにとって、オーバーキャパシティは、コミュニティの存続を揺るがすところまで進展しており、非常に大きな問題です。
そこでアムステルダムは、「総量規制」と「誘導対策」の両輪を回しながら、問題の緩和に取り組み始めています。