最も非効率な学習習慣

子どもたちは宿題を提出しないと自分の成績が悪くなるわけですから、大量に宿題が課された子どもたちの行動パターンは明らかです。できるだけ宿題を短い時間で終えるため、宿題の「わからないところ」を飛ばして「わかるところ」だけを勉強するようになります。

おわかりだと思いますが、「わかるところ」だけを勉強する子どもたちの学力は、基本的に伸びません。

つまり、結果として時間だけ奪われて学力がつかないという、最も非効率な学習習慣が身につくことになるわけです。

そもそも学校が宿題を課すのは、何のためなのでしょうか。

結果として時間だけ奪われて学力がつかないという、最も非効率な学習習慣が身につくことになるわけです(写真提供:Photo AC)

「通知表の成績をつけるため?」

それとも「生徒に学習習慣をつけさせるため?」

多くの教師がこんな本質的な問いでさえ、考えなくなっているように僕は思います。

「学習習慣をつけさせるため」という、さももっともらしいことを主張する教師の中には、宿題を子どもたちに課すたびに「わかるところだけやってきて。わからないところは飛ばしてきていいから」なんて指示する方までいます。

僕は情けなく思ってしまいます。乱暴な言い方に聞こえるかもしれませんが、「学習習慣が大切だ」というフレーズさえ、僕には正しいことなのか疑問に思えます。