今年も花粉が飛ぶイヤな季節がやってきました。花粉症は免疫力の低下によって発症しやすくなるといわれますが、免疫機能を正常に保つうえで重要なのが腸内環境です。免疫とアレルギーの関係、腸内環境を整えるコツを学びましょう(イラスト/小林マキ 取材・文・構成/葛西由恵《インパクト》 デザイン/米山和子《プッシュ》)
免疫の《アクセル》と《ブレーキ》
花粉症は、花粉によって引き起こされるアレルギー疾患です。こうしたアレルギーは、免疫機能が過剰に反応することで起こるといわれています。
「免疫のしくみは少々複雑。免疫には、“アクセル”として働き、人体に有害なものを排除する『免疫反応』と、免疫反応が過剰に働かないよう“ブレーキ”をかける『免疫抑制』の機能があります。両者がうまく働いていれば、人体に有害なものは異物とみなして排除し、食べ物など体に安全なものは問題なく受け入れて生活できるのです。花粉は本来、人体に悪影響を及ぼさない物質。にもかかわらず免疫反応を起こしてしまうのは、このブレーキがうまく機能しなくなるからと考えられています」と解説するのは、京都府立医科大学大学院医学研究科教授の内藤裕二先生です。
近年、どのようなしくみで免疫抑制が働いているのか、さまざまな研究で明らかになってきました。