パンダのシャンシャンの気持ちがわかった
勉強と、深夜の風呂独り言トレーニングを経て、ゲスト出演にも慣れてきた。思えばラジオは運転中のカーステレオや、自宅のコンポでよく聴く、憧れであり、友達だった。お気に入り番組は『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)や『JET STREAM』(TOKYO FM)だ。その末端に関わることになろうとは、世の中何が起こるのかわからない。
その生活に慣れ始めた頃、スタジオでふと気づいたのが、スタッフさんたちによるゲストへの必死な気遣いだ。生放送中、ブース内はテーブルに2名のパーソナリティーさんが向かい合わせで座り、お誕生席が私の位置。
その位置からは防音ガラスを経て、ミキシングを行う“サブコン”というスペースにいるスタッフさんたちが見える。皆さん、私が話している間は5〜10人がこちらを笑顔で見つめて(聞こえないけど)エールを送ってくれる。爆笑風だったり、指を刺しながら「いいよ! いいよ!」と口パクをしたり、拍手をしたり、こちらの写真を撮っていたり。リアクションはそれぞれだけど、とにかく楽しそうに皆が私を見ている。
(……私の話が途切れないように盛り上げてくれているんだな〜……)
ありがたいと思いつつ、時にはオーバーリアクションのスタッフさんに吹き出しそうになる。そんな様子を眺めていると、自分が動物園に展示された動物になった気分に……。確か上野動物園のパンダゾーンも防音ガラスを隔てて、お客さんがいたはず。シャンシャン、毎日こんな気持ちだったのか。