話す内容は、事前に誰にも伝えなかった

──名物コーナーだったのは間違いないですね。メモなしでずっと話してました。

そうそう、中身も全部自分で決めていました。あれが面白かったのは、共演の笠井アナウンサーや佐々木恭子アナウンサーにも、何をやるか事前に振ってなかったんですよ。

それどころかディレクターにも言ってなかった。

ただ、扱う新聞記事がある場合は、この記事だけ用意しておいてくれと言って渡しておくんですね。

毎朝、自分の中では展開を考えておいて、一応短い時間でも起承転結みたいなものを作っておくわけですよ。でも、笠井君とか佐々木君は、それを突然ぶち壊してくるんですよ。

ヘンな質問をしてきて流れを崩したりする。それはそうでしょう、こっちの想定なんか知らないんだから。でもそれで腹が立つわけでもなくて「ああ、そこに入ってくるんだ」と思って、それはそれで面白かったですけどね。

ただ、スタッフは冷や冷やしていたでしょうね。本番まで何を言うかわからないんだから。

そんなわけで8時のオープニングトークが終わった段階で、時間が押してしまって、もう後ろのほうの枠が飛んじゃっていることも珍しくなかった。

だから、初期は担当ディレクターからのブーイングがすごかったですよ。「何のために俺たち取材に手間暇かけているんだ」ということです。

 『本音』(著:小倉智昭、古市憲寿/新潮社)