家族と仲のいい友人を見ると、うらやましい
母は地元で祖父の代から続く公認会計士事務所を営み、麻矢さんが幼い頃からバリバリ働いていた。父は病気がちで、母の事務所を手伝う。麻矢さんは母のことも苦手に思っており、地元に用事がある時は慕っている祖母の家にこっそり泊まる。
高校時代には、ひどいめまいや腹痛に悩まされ、自律神経失調症と診断されたこともあった。家族と過ごすことがストレスになっていたのだろうと、今ならわかる。家を出て首都圏の大学に進み、そのまま就職すると症状も改善。2年前からは年末年始に帰省することもやめた。
「実家にいた頃と比べると、信じられないくらい楽になりました。妹は“優等生”をやりたいらしくて、ときどき『母親の還暦祝いをしよう』みたいな連絡をしてくる。鬱陶しいので、お金を払ってお任せです(笑)」
今、麻矢さんは“絶賛婚活中”だ。自分の家族を持ちたい。子どもも欲しい。そう願う自分は、やっぱり妹を意識しているんだな、と思う。
「きょうだいや家族と仲のいい友人を見ると、正直うらやましい。自分でも子どもじみていて、一種の反抗期みたいだと思います。だけど、気が合わないものはもうしょうがない。もしかすると私、こういう家で育ちたかった、という家庭をつくりたいのかもしれません」