歌という道があるのだから
3月16日に新曲をリリース。「花として 人として」は、この世に生まれ、生きることの喜びを歌い上げ、カップリングの「錦秋譜」には、母への想い、子への愛が綴られている。
――この2年、コロナ禍でみなさん、気持ちも落ち込みがちですよね。「花として 人として」は、いわば日本版のゴスペル、人間讃歌です。ゆったりとした壮大な曲で、今の時代だからこそ伝えたい大きな愛が描かれ、ずっと大切に歌っていきたい歌です。
「錦秋譜」は、幼い頃にお母さんを亡くした女性が母親になった心情を込めた歌。私自身は子どもを産み育てたことはありませんけれど、厳しい母とずっと一緒にいますから。幼い頃は叩かれたこともあります。けれど、その母の心のなかはすごく痛くて苦しかっただろう、というのは、今この年齢になると、とてもよくわかるのです。
こんなふうに、歌によって心を揺さぶられたり、力をもらったりする。その歌を歌い続け、みなさんに聴いていただける私は本当に幸せ者だと思います。
これまで恋らしきものもあったけれど、恋愛よりも歌でした。「あんたは普通の人が味わえないようなことをやらせていただいているのだから、普通のことを望んではだめ」と、ずっと母に言われてきました。
実際その昔、母は私の恋を、「許さんけん」と言って、かなりの勢いでぶっ潰しにかかってきたこともあります(笑)。私も、「これ」と決めた歌という道があるのだから、女性としての幸せは望まないと思い、今に至ります。
そんな私のプライベートでの愛の対象は、4匹のトイプードル。みんな女の子で、趣味もない私にとって、この娘たちと過ごすひとときが最高の癒やしです。
これまでの私は、どちらかといえば型にはまった生き方だったかもしれません。でも、これからはもう少し肩の力を抜き、気楽にいこうかなと。そうして、心と体を大事にしながら、大好きな歌を一日でも長く、楽しく歌っていきたいと思うのです。
島津亜矢さんの記事が掲載されている『婦人公論』4月号は好評発売中!
TEICHIKU RECORDSチャンネルにてご視聴いただけます(※「サイン会への参加」は締め切られています)
【コンサート情報】
3月19日(土) 東金文化会館(千葉)/3月26日(土) 伊勢崎市文化会館大ホール(群馬)/
4月2日(土) 神奈川県民会館(神奈川)/4月9日(土) 習志野文化ホール(千葉)/
4月13日(水) 長井市民文化会館(山形)/4月14日(木) 名取市文化会館(宮城)