地域包括支援センターの存在
ーー著者は毎日、食事や家事のために父の家に通っていた。日々の暮らしや会話の中で、認知症ではないかとの疑いが募っていく。テレビショッピングの番組で紹介されたものをすぐ注文してしまう。1ヵ月分処方された睡眠導入剤を半月もしないうちに飲んでしまった……。ただの老化現象ではないのでは? 試行錯誤のなか、動き始めた。
父に睡眠導入剤を処方してくれる先生に聞いたら、認知症系の病院には行く必要はないとの判断でした。埒があかないので駆け込んだのが、地元・札幌市の区役所の健康保険の窓口。
「父の感じが変わってきたのだけれど、どこに相談したらいいか分かりません。教えて下さい」と尋ねたら、「地域包括支援センターで相談して下さい」とのこと。地域包括支援センターは、介護・医療・保健・福祉などの側面から高齢者を支える「総合相談窓口」です。
父に同行を求めたら断られたので1人で行きました。そして「父が今認知症かどうかは分からないけれど、今後本格的になってくる可能性がかなり高いので、誠に勝手ではありますがカルテのようなものを作って下さい」と頼みました。
私の中にはこの程度で相談していいのかという気持ちはありましたが、家族関係などまでいろいろ聞いてもらいすっきりしました。介護保険がつくかどうか様子をみましょうとセンターの人が言ってくれたものの、父はそれも断固拒否でした。
私の場合、区役所に行って地域包括支援センターの存在を知りました。知らない人も多いかもしれないので今、みんなに一生懸命教えています。いざという時に備えて全く必要性のない時から、地域包括支援センターを含め地元自治体の介護や医療などのサービス体制について情報収集をしておくことをお勧めします。