認知機能検査のレベルが低すぎる

車は廃車になりました。でも、運転免許証は残っているのです。翌年は3年に1度の免許更新年。「認知機能検査及び高齢者講習」のハガキが届きました。父は家族に内緒で検査に行き、パスし、3時間の講習を受けてしまった。

誕生日の1ヵ月前、「運転免許更新連絡書」が届き「更新会場に車で送ってくれ」というので、「乗せていかない」「娘としては運転させられない」と断言しました。

父の更新に対する執着は続きましたが、その後、熱中症になって運ばれた病院の待合室で、高齢者の自動車事故のニュースを見て言いました。「こういう事故を起こしたら、大変だよな」と。私が「パパも免許証はもういらないんじゃない?」と言うとやっとあきらめてくれました。

今親の運転問題で悩んでる方に言えるとしたら…。免許証の返納は本人にその意思がないとできません。だから、「流せばいい」のではないでしょうか。流すというのは更新しないこと。認知症の程度によりますが、免許証更新に関する郵便物を管理するなどして更新できないようにするのも1つの方法ではないでしょうか。

免許の更新で気づいたのは、認知機能検査のレベルが低すぎること。父は事故まで起こしたのに、クイズ形式には強いので認知機能検査に受かってしまった。運転する身体能力や脳の機能に特化した検査が必要ではないかと痛感しました。免許更新については制度を変える必要があると思います。

また、運転をさせないというのは、本人が自分で運転してやっていたことを誰かが代わりにしなければならないということでもあります。これは覚悟、準備が必要です。