話す人の性別や話す調子が変わると…

ただし、大人に根気があっても、この王道の方法だけではなかなかうまくいかないのには、もちろん訳があります。それは、「どの音とどの音は区別し、どのような音のゆれであれば無視して、それは同じ音として聞くか」が言語によって違うからです。

つまり「その言語ならではの音の聞き方」がわからなければ、音のつながり方が100%かどうかも計算できないのです。

『赤ちゃんはことばをどう学ぶのか』 (著:針生悦子/中公新書ラクレ)

生後8か月の赤ちゃんも、音のつながり方を手がかりに単語を見つけ出すことができるようになっています。しかしその一方で、「その言語ならではの音の聞き方」がしっかり身についているかと言えば、まだ完全でもありません。

そのようなわけで、話す人の性別や、話す調子が変わったりすると、同じ音のつながり(単語)だとわからなくなったりします。