話はあちこちにとび、やがてギャンブルへと集中していった

私は岬(みさき)で会ったマンボウの話をした。

『ムツゴロウ麻雀物語』(著:畑正憲 /中公文庫)

園山さんは、外国旅行で巡り会った愛くるしい動物の話をした。

「何ちゅうか、日本人と考え方がまったく違うので、動物が人を恐れないんですよ。雀でさえ、平気で寄ってくるんですから」

話はあちこちにとび、やがてギャンブルへと集中していった。

窓には星の洪水があった。そして、家のすぐそばで、潮が岩の頭をなでる音がしていた。

流木は乾いていて、新しいものをつぎ足すとすぐに火の勢いが強くなった。

「ふうん、麻雀―そんなに面白いものですか」

園山さんは盛んに感心する。その聞き上手につられて私は雀荘綺談(きだん)と言ってもいいものを次から次へと披露した。

無人島から帰るとすぐに、園山さんは麻雀を始めてしまった。