子どもの言い分を聞き、解決方法を考えてもらう

あるお宅では、お子さんが家に帰って来て、リビングに上着をバサバサと脱ぎ散らかし、ランドセルを放り出す、というのがお母様の悩みでした。

お母様は、上着は玄関に掛けてきてほしいし、ランドセルは、自分の部屋に片づけてほしいと思っている……、でも子どもたちはそうしないんです。

『部屋がゴチャゴチャで、毎日ヘトヘトなんですが、二度と散らからない片づけのコツ、教えてください!』(著:西崎彩智/すばる舎)

それで、私は、その子たちに聞いてみました。

「なんで、いつもリビングまで持ってきて放り出しちゃうの?」と。

答えは、「だって、玄関で上着を脱いだら寒いでしょう? それに、玄関で上着を脱ぐには、ランドセルを1回下ろさなきゃいけないから面倒くさい! 一度に全部やりたいよ!」でした。

そう、子どもにも言い分があるんです。

それなら、その子どもたちの「使いづらさ」を解決すれば良いということになります。

「じゃあ、どこなら片づけられる?」と子どもたちに聞いてみました。

すると、「リビングにコート掛けの場所があったら、ちゃんと片づけられる!」という答えが返ってきました。

お母様には、「コート掛けは玄関にあったほうがいい」という思い込みがあったんです。

でも、使いづらさを放置するべきではない、というのは大人だけじゃなく、子どもも同じこと。

それで、お母様と相談して、リビングの一角にコートを掛けて、ランドセルを置けるスペースを作ることにしました。結果は大成功。子どもたちは、そのスペースに、ちゃんとコートを掛けて、ランドセルを置くようになりました。