40年来の盟友だという、残間里江子さん(左)と吉永みち子さん(右)(撮影:藤澤靖子)
40年来の盟友、残間里江子さんと吉永みち子さん。コロナ下で会えなくなって以来3年ぶりの再会だそう。73歳の今も現役でご活躍されるお二人の、最近の暮らしぶりは(構成=丸山あかね 撮影=藤澤靖子)

<前編よりつづく

想像力を備えて先手必勝といこう!

残間 みっちゃんって、怖がりなとこあるよね。

吉永 私は父が60、母が40の時の子で、小学校4年の時に父が死に、小学校6年の時に母が死にそうになった。そんな頃から、たとえば民生委員の人と、孤児になった時の受け入れ先とかを相談したりしていたから、不安要素を察知して対策を考える癖がついた。

父の死後は、私が夫で母が妻みたいな関係性が生まれたの。母が経済的な不安まで訴えてくるものだから、中学からずっとバイトして。母の精神の安定のために米櫃を満タンにすることばかり考えていてね。とにかく安心のために備えておかなければ、という思考がしみついてる。

残間 私も幼い頃は極貧生活だったけど、母は自分もお金に困っているのに人に振る舞ってしまうような性分で、それでもなんとかなるんだなぁと思ってた。社会人になってからは親に仕送りするようになったり、子どもを育てるためにもお金を稼がなくちゃ、とあくせくした経験があったりするから、困らない程度に蓄えておかないと不安だというのはあるけどね。

吉永 子どもたちは私のことを不死身だと思ってる節があるけど(笑)、実のところ臆病で弱いのよ。