残間 私の朝の儀式は仏壇に手を合わせること。うっかり忘れると一日中気分が冴えないの。
吉永 それぞれ儀式があるのね(笑)。でもさぁ、思うに、必ずしもご機嫌である必要もないんじゃない?
残間 無理は禁物だとは私も思う。
吉永 人って基本的にネガティブ思考に陥りやすいのは、誕生と同時に死に向かっているからだと思う。哀しみをたたえてるのが自然な姿。暗部を見ないで明るくいなきゃというのは危うい気がする。暗部を見つつ、それでも明るく生きたいんだよね。
残間 最悪のことを想定して、何が起きても対処できる気構えを持ってこそ、ポジティブになれるのではないかしら。
吉永 私の座右の銘は「丙(へい)を丙とすれば丙ならず」。良くないことも潔く受け入れてしまえばなんてこともない、ということで、ある意味究極の癒やしかもしれないね。
残間 私は、母が雑記帳に書き残していた「私は歩く」という言葉が好きなの。ゆっくりでも、ヨタヨタしていても、人生を自分のペースで黙々と歩いていくのが理想的だなと思って。
吉永 素晴らしい人生訓だね。最後はみんな一人なのよ。でも寂しいのは自分だけじゃないと悟って、とにかく歩んでいこうと決めれば、心は安泰でいられる。そうありたいね。
残間里江子
プロデューサー
1950年宮城県仙台市生まれ。アナウンサー、雑誌記者、編集者を経て、1980年に企画制作会社を設立。雑誌『Free』編集長、出版、映像、文化イベントなどを多数企画・開催。2005年「愛・地球博」誘致総合プロデューサー、2007年には「ユニバーサル技能五輪国際大会」総合プロデューサーを務め、29万人を超える来場者を記録する。2009年には既存の「シニア」のイメージを払拭した新しい「日本の大人像」の創造を目指し、会員制ネットワーク「クラブ・ウィルビー」(https://www.club-willbe.jp)を設立。
国土交通省「社会資本整備審議会」、財務省「財政制度等審議会」、文部科学省「生涯学習審議会委員」、内閣府「男女共同参画推進連携会議」など行政諸機関の委員を数多く歴任。著書に『もう一度 花咲かせよう』『閉じる幸せ』『人と会うと明日が変わる』など。BS-TBS『Together』(毎月第1週土曜日 午後11時~)ニッポン放送『おしゃべりラボ~しあわせSocial Design~』(毎週土曜日 朝7時40分~8時)に現在出演中
吉永みち子
ノンフィクション作家
1950年埼玉県生まれ。大学卒業後、競馬専門紙『勝馬』の記者を経て作家に。吉永正人騎手と結婚し、『気がつけば騎手の女房』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。執筆活動のほか、テレビコメンテーターとして活躍するとともに、政府税制調査会などの委員を歴任。現在は、映画倫理委員会副委員長、民間放送教育協会会長、日本年金機構理事などをつとめる。著書に『試練は女のダイヤモンド』『増補文庫版 怖いもの知らずの女たち』『老いの世も目線を変えれば面白い』『老いを楽しく手なずけよう~軽やかに生きる55のヒント』などがある。