作家の吉永みち子さん(右)と、上野ヴォーカルアカデミー代表・校長の上野由紀さん(左)(撮影:藤澤靖子)
日頃気になる声の衰えを、自分で無理なく改善できるなら実践してみたいもの。今回は作家の吉永みち子さんに、「老け声改善・声の若返りレッスン」を体験してもらいました(取材・文=上田恵子 撮影=藤澤靖子)

加齢とマスク生活で声に自信がなくなって

年を重ねるにつれて「声が出なくなってきた」「声が通らない」「滑舌が悪くなった」などと、声の衰えを感じる人は多い。作家であり情報番組のコメンテーターとして活躍する吉永みち子さんもその一人だ。

「この低い声は子どもの頃からです。いま72歳、滑舌にはまだまだ自信があるんですが、どうも音域が狭くなった気がして。昔はカラオケで歌うとき高いキーまで出ていたのに、いまでは裏声でもキツイ。声がれも気になって」と、吉永さん。

そこで今回は同様の悩みを持つ人を代表して、東京・日暮里にある「上野ヴォーカルアカデミー」で、声の若返りレッスンを受けてもらうことにした。

「吉永さんの声は低いけれどよく通るタイプ。いまのままでも聞き取りやすいですが、ボイストレーニングをすれば、よりいっそう声量が増えて高い声も出るように。滑舌もよくなりますよ」と太鼓判を押すのは、校長の上野由紀さんだ。

アカデミーには「歌のコース」と「話す声のコース」があり、「声の若返り・老け声改善」に悩む人のためのコースも開設している。会話の途中で相手から「えっ?」と聞き返されることが増え、それが嫌で来たという人も少なくないのだとか。

「加齢で筋力が衰えると、身体機能が低下して老化につながりますよね。同様に声を出すための筋肉を使わずにいると声も衰えます。すると顔も老けた印象に。若々しくハリのある声を取り戻すには、発声のための筋力トレーニングが効果的です」

そう説明する上野さんに、「声だけじゃなく、アゴ下の肉のたるみにも効果がありますか?」と尋ねる吉永さん。「続けるとフェイスラインが引き締まりますよ!」との上野さんの言葉に、俄然やる気になる吉永さんだった。