質問の仕方を変えてみた

うーん、わからないはずはないのにな……と困惑する講師。

そこで、質問の仕方を変えてみました。

「陸上競技で、選手が最初に並ぶ線は何ライン?」

「……スタートライン? あ、そうか。『始める』はスタートかな」

「飲食店で、メニューに書いてある飲み物は、ソフト何?」

「……ソフトドリンク。あ、だから『飲む』はドリンクか!」

このように、その中学生は、わかるはずのことを最初から諦めていて、考えようとしなかったのです。でも、講師の巧みな誘導によって、自ら考え、答えることができました。

『メタ認知-あなたの頭はもっとよくなる』(著:三宮真智子/中央公論新社)