(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
世間から「大丈夫?」と思われがちな生涯独身、フリーランス、40代の小林久乃さんが綴る“雑”で“脱力”系のゆるーいエッセイ。「人生、少しでもサボりたい」と常々考える小林さんの体験談の数々は、読んでいるうちに心も気持ちも軽くなるかもしれません。第15回は「ウォーキングはいいかもしれない」です。

初めの4キロ

「このまま運動を避けて生きていると、いよいよまずいかもしれない」

自分の人生に危機感を覚えたのが、2023年10月のこと。きっかけは健康診断結果の中性脂肪の人生最高数値を目の当たりにしたことだ。座業を生業にしていると、動かないことがデフォルトになってしまう。1カ月のうちの半分は打ち合わせや取材などで外出をして、もう半分はデスクワークになる。通勤がないし、住環境が良いのか遠出をしなくても生活用品は手に入る。1日の歩数が「100歩」なんていう日もザラである。この積み重ねが、私を立派な中年体型に仕上げてしまった。

そのうえ私、大の運動嫌いときている。よく「体を動かすとスッキリする!」と言っている人たちの気持ちが、1ミクロンも理解できないままアラフィフになってしまった。このまま運動嫌いを放置しておくと、中性脂肪の高記録はやがて病気へ進化するかもしれないという恐怖が押し寄せる。この悩みを日々の生活にトレーニングを欠かさない友人に相談した。

「なにか運動を習いに行ったほうがいいのかな」
「今まで何の運動を習いに行ったの?」
「スポーツクラブは2軒、筋トレ1軒、ピラティス2軒、ホットヨガが1軒。引越しをしながら通う施設も変わったんだけど……」
「結局続いていないじゃん」
「まあ」
「そんな人がまたどこかに通っても絶対に続かないと思う。まずはどこでもいつでもできる、ウォーキングから始めたらどう? 1日のクリア歩数を決めてさ」
「歩くねえ」

名だたる経営者や著名人、あの大谷翔平選手が定期的に行なっていると聞いたことがある、ウォーキング。午前中に行えば、太陽を浴びてセロトニンの分泌を促すこともできる……という事前情報だけはしっかり頭に入っている。友人のゴリ押しもあって、私はついに昨年の11月から始めてみることにした。

開始にあたって、最初の問題は家から外に出るまでだ。なんせ私、2〜3日くらい自宅にこもっていても平気という、徹底したインドア派。最初の一歩がなかなか踏み出せない。

そこでiPhoneのウォーキング記録を用いた。設定した4キロをクリアすると、カレンダー形式のデータの日付が緑色に変わる。運動量が足りないと、青色のまま。「このデータをすべて緑色にして、いつかエッセイのネタにする……!」と、データ更新を発奮材料にしたのだ。この作戦が功を奏したようで、スタートから現在まで約5カ月間、続いている。

これがiPhoneの記録。目標をクリアすると日付が緑に