新しい世界に向かっていきなさい
いとしき、いとしき我子等よ、
世に生れしは禍(わざはひ)か、
誰か之を「否(いな)」と云はん。
されど、また君達は知れかし、
之がために、我等――親も、子も――
一切の因襲を超えて、
自由と愛に生き得ることを、
みづからの力に由りて、
新らしき世界を始め得ることを。
*「我子等よ」(『晶子詩篇全集』より)
「いとしい、いとしい、わが子たちよ、/この世に生まれたのは禍だったのでしょうか/「違う」と誰が言えるでしょう。/けれども、あなたたちに知ってほしい/だからこそ、私たち――親も、子も――/すべての古い不合理なしきたりを越えて、/自由と愛に生きられることを、/自分たちの力によって、/新しい世界を始められることを。」