交替して話すことで発想は刺激されて活性化する
話し合いの中では、他のメンバーのアイデアに触発されて、自分も新しいアイデアを思いつくという効果があります。また、他者のアイデアをさらに改善したり、自分の考えと融合させたりすることもあるでしょう。
発話交替を小まめに行っていると、こうした効果が出やすくなります。
一方、一人ひとりがたくさんの内容を一度に話すと、そうした相互作用が生じにくくなるのでしょう。
せっかくグループで話し合うのであれば、各人が延々と話すのではなく、どんどん交替して話すことによって、参加者それぞれの発想が刺激され、活性化すると考えられます。
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*1. Osborn, A. F. (1953) Applied Imagination: Principles and procedures of creative problem solving. New York: Charles Scribnerʼs Sons.
*2. Fujihara, N., & Sannomiya, M. (2002) Does turn-taking behavior in a dialogue facilitate idea generation in learning? International Journal of Learning, 9, 1215-1220.
※本稿は、『メタ認知』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。
『メタ認知-あなたの頭はもっとよくなる』(著:三宮真智子/中公新書ラクレ)
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