北村先生「日本語に置き換えるという癖が残っていて、読む速度が遅くなっている場合がある」(写真提供:Photo AC)
令和2年4月に学習指導要領が改訂され、小学校でも外国語を勉強する時間が増加しました。「英語の重要性が叫ばれ、人々の関心が高まってるとはいえ、リーディングとリスニングを関連づけて考えている学習者は、まだまだ多数派とは言えません」と語るのは、杏林大学外国語学部准教授の北村一真先生。北村先生は、「日本語に置き換えるという癖が残っていて、読む速度が遅くなっている場合がある」と言っていて――。

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英語の語順通りに――ジョブズの革新

ご存じの通り、英語と日本語は文の幹となる基本文型においても、文の枝を形成する修飾語句においても、大きく語順が異なっています。

そのため、英語の文を自然な日本語に訳そうとすると、後ろにある要素を前に持ってきたり逆に前にある要素を後ろに持っていったりということが必要になることも少なくありません。

今では、まず流暢(りゅうちょう)な日本語に置き換えてから意味を考えるといったような往年の「訳読」をやっている人はほとんどいないと思われますが、それでもやはり、日本語に置き換えるという癖が残っていて、それによって読む速度が遅くなっている場合があるように思います。

誤解のないように言っておくと、私はここで、英語は英語のまま理解すべきであって、日本語に置き換えてはならない、と言っているわけではありません。

各パーツに関しては日本語の置き換えによるサポートを大いに活用してかまわないと思います。