兄が母親代わりのパターン

(2)母親が多忙で両親共に家を留守にしがち

両親が共働きで、母親が仕事をバリバリこなすタイプだと、兄弟だけで過ごす時間が長くなります。そうなると、必然的に兄が母親の代わりを務めることになるでしょう。

兄は友達と一緒に遊ぶときに弟を連れて行くなど、あれこれ弟の面倒を見るようになります。一方、弟は優しい兄を慕い、兄の言うことをよく聞く存在になります。

母親は兄に対して、

「弟の面倒を見てくれてありがとう」「弟の世話をするなんてえらいね」

こんなふうにねぎらいの言葉をかけるかもしれません。

もちろんそれは悪いことではないのですが、兄は自分の甘えたい気持ちや弱い気持ちを抑圧して、「犠牲者」になりがちです。
大人になっても面倒見は良いものの、自分のことを後回しにしてしまい、誰かのために自分を犠牲にする行動パターンが定着してしまうのです。

兄は自分の甘えたい気持ちや弱い気持ちを抑圧して、「犠牲者」になりがち(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)