母親が依存的だった場合
(3)母親が精神的・肉体的に弱い
母親が精神的・肉体的に弱いと、兄弟は共に母親を助けようと競争するようになります。
ここで「母親を助ける」とは、文字通り家事を手伝ったり、母親の面倒を見たりということもありますが、「何でも自分でやって、手のかからない子になる」「勉強を頑張って母親を安心させる」といった行動も該当します。
母親が弱くて依存的な分だけ、兄弟の自立度は高くなるでしょう。
どちらもヒーローになって母親を救うために頑張るのですが、その点は早く生まれてきた兄が有利なケースが多いものです。
しかし、兄はそうして早くに自立した分だけ弱さを内に抱えることになり、結果として、精神的に弱い一面を持つことになります。
※本稿は、『兄弟姉妹の心理学 弟がいる姉はなぜ幸せになれないのか』(WAVE出版)の一部を再編集したものです
『兄弟姉妹の心理学 弟がいる姉はなぜ幸せになれないのか』(著:根本裕幸/WAVE出版)
私たちは、成長する過程で、「兄弟姉妹」の関係から強い影響を受けます。
兄姉がいるか、弟妹がいるか、また、何番目に生まれたかによって、その人の人生観や性格がある程度決まってしまう……といっても過言ではありません。本書では、その思考パターンを分類しながら、兄弟姉妹(ひとりっ子、双子含む)との関係が日常生活にどのように影響を及ぼすのかについて解説します。